セガマニアの歪んだ愛情

秋葉原の某店でセガの同人誌を見つけたので衝動買いしてしまった。
セガマーク3のソフトが紹介されているカタログのような本なのだが、文章の端々に当時のセガマニア特有の鬱屈とした感じがにじみ出ており、読みながら昔を思い出して懐かしい気分になった。

当時の(人によっては今も?)セガマニアはとにかくネガティブで、ダメなところには文句を言い、良いところがあっても素直には褒めない傾向がある。
以下、同人誌より一部抜粋。

・ソフトのラインナップを戦略的に組み立てるという概念はセガにはない
・当時のセガは社外クリエイターに仕事を発注するようなポジティブで金のかかることは絶対にしない
・SG1000を買おうと思って買った人間はいない

…などなど。
読んでいて色々ツッコミたい所はあるのだが、先に結論から言っておくと、この本に対して文句をつけるつもりは一切ない。
より厳密に言うと、私には文句を言う資格はないと思う。なぜなら、私も学生時代にセガの同人誌に寄稿していて、この本と同じか、もしくはそれ以上にひどい文章を書いていたという黒歴史があるから。

当時のセガマニアの心境は人それぞれだったろうけれど、私自身のことを思い出すと、当時好きではあったけれど不満なこともあったセガに対して、本当に好きであるからこそ、あえて厳しい言葉で論じなければならないという謎の使命感で駄文を書いていた気がする。
しかし社会人になって、ゲームを客として遊ぶ立場から提供する立場になり、色々なことを経験した結果、かつての自分の考えは間違っていたという結論に達した。
意見される方の立場としては、ネガティブな事を言われれば普通に凹むし、厳しい言葉で言わなければ情熱が伝わらないなんてことも無い。
そんなアタリマエのことが、かつての自分には分からなかったのだ。

…今思い出すと、恥ずかしいことこの上ない。
当時寄稿していた同人誌は、今となっては読む勇気もなく、かといって捨てることも出来ずに未だに手元にある。

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ちなみに、「インターネットもない時代にどうやって同人活動していたの?」という若者世代の方々のために一応説明すると、私の場合は当時購読していたBeep!というゲーム雑誌の投稿コーナーに掲載されていたハガキでセガの同人サークルの存在を知った。個人情報に関してはおおらかな時代だったので、そのハガキには相手の住所も載っていた。
そこに代金分の切手だか為替だかを送ると、会員となって定期的に会報(コピー誌)が送られてくるというシステムだった。

私は純粋にサークルの会報が欲しかっただけなのだけれど、申し込みをする際何か挨拶がなければ失礼だと思い、当時発売が噂されていた新機種(メガドライブ)のスペック予想などを書いた手紙を同封した。
後に会報が送られてきたのだが、一緒に入っていた手紙にはこう書かれてあった。
「あなたの手紙が面白かったので、原稿にしました」
送られてきた会報には、私が書いた手紙がほぼそのまま載っていた。

…そんな経緯があって、文章やイラストを投稿するようになった。
(上の写真の右端の表紙は当時私が書いた絵)


前述のとおり、私は社会人になってからセガマニアとしての毒素が抜けてしまったけれど、未だに当時の感覚を継承したまま未だに戦い続けている人もいるのだろうか…と想像してしまう。
今度機会があったら、セガの同人イベントにも行ってみようかな。