Amazonプライムビデオで特救指令ソルブレインを観よう

特救指令ソルブレイン」は1991~2年に放送された特撮ヒーロー番組で、宇宙刑事ギャバンから始まったメタルヒーローシリーズの第10作品目にあたる。
個人的には、宇宙刑事3部作をはじめとしてメタルヒーローはどれも好きなのだけれど、個人的に一番好きなのがソルブレインである。以前からDVDは購入済みだったのだけれど、最近Amazonプライムで見放題に追加されたので、従来より多くの人が観ることができるようになったのは大変喜ばしい。

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ソルブレインが好きな理由は、個人的に好きな要素がたくさん詰まって構成されているから。具体的には、ソルブレインは特撮ヒーロー番組であると同時に、刑事ドラマでもあり、SFドラマでもある。

刑事ドラマと言っても色々あるが、古いものだと「太陽にほえろ!」や「西部警察」のようなアクション重視のものや、「特捜最前線」「はぐれ刑事純情派」など地味なものがある。
個人的には後者のような、地道に捜査を積み重ねたり、犯人の心情や犯行の動機を丁寧に描くタイプの刑事ドラマが大好きで、ソルブレインも後者の傾向が強い。
特撮番組に限ったことではないのだが、主人公が魅力的に描かれるためには悪役の描写も同じぐらい重要である。悪人はなぜ悪なのか、何故犯罪を犯す(もしくは犯さざるを得なかった)のか、そのあたりがしっかり描かれていないと、ヒーローが何のために戦っているのか分からなくなってしまうと思う。(あくまで個人的にではあるが、このあたりの描写に関して、近年の仮面ライダーには少しだけ不満がある…)

SFドラマ要素に関しては、近未来において高度に発達した科学技術が悪用されることにより発生しうる犯罪や災害を描いている。
(放送当時は1991年、劇中の設定は2000年ごろ)
現代から見ると既に過去の世界ではあるが、バーチャルリアリティ、自動運転車、サプリメントによる副作用など、今の時代でも身近な技術が登場する。今の現実と照らし合わせて比較してみるのも一興であろう。

以下、未見の人のために、個人的におすすめの回をいくつかピックアップして紹介する。
(あらすじ/劇中のセリフ/個人的所感)

 1話「東京上空SOS」

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東京上空に謎の飛行物体が出現。街を破壊し、人間を襲い始めた。
調査の結果、飛行物体は稲垣博士によって造られた疑似頭脳「A320」によって操られていることが判明した。
成長して自我を持ったA320は、自身が完全な存在となるために、稲垣博士の息子の体を生贄として差し出すよう要求する。

貴様に何が分かる!?
一夫は科学の進歩のために犠牲になったんだ…!

東映特撮番組の1話はパイロット版を兼ねているため、通常の回よりも潤沢な予算が投入されることが多い。
本作でも、謎の飛行物体による東京空襲や、昭和の刑事ドラマを連想させるような多数のパトカーの走行・爆発シーンなどがふんだんに登場する。
(余談だが、後番組である特捜エクシードラフトの1話では、幼稚園バスをまるごと1台崖から落として爆破しており、こちらも必見である)
本作は第1話ということもあり、話の筋はオーソドックスである。ヒーローが事件を無事解決してハッピーエンド…なのだが、こんな事件が起こったあとで、この博士親子は本当に仲良く暮らすことができるんだろうか?と疑問に感じてしまう(笑)。

6話「バクダンと落語家」

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売れない落語家・金円亭金太が誘拐された。
金太は実は大会社の一人息子で、身代金目的での誘拐だったが、母親は犯人を負け犬であると見下し、交渉を拒否。
金がどうしても必要な犯人一味は、最後の手段に出る。
犯人に罪を重ねてほしくないとの思いから、金太は犯行を阻止すべく奔走する。

生きてて辛くない人なんて一人もいないよね。

 心優しい落語家と不遇な犯人との交流や、初めて見た落語にハマるソルドーザーなど、笑いと涙が適度にミックスされており、(バッドエンドが多いソルブレインでは珍しく)後味の良いエピソードである。
落語家を演じたのは本職の落語家である三遊亭金時氏だが、氏のブログには「平成12年にはNHK朝のテレビ小説“私の青空”にて春風和夫役で役者デビュー」と書かれている。…あれ、ソルブレイン出演は黒歴史

 10話「わしら純情放火団」

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40年間勤め上げた町工場を定年退職した老人・岡田松太郎が再就職した会社「あけぼの社」。
その正体は、老人たちで結成された放火団だった。
放火で日本をもう一度焼け野原にするという社長・須藤にたきつけられ、老人たちは放火を繰り返すが…。

だからこの国をもう一度、焼け野原にしてやるんですよ!
豊かさに腐りきった若い奴らに、かつて貴方が味わったのと同じ、何もないところから国を作り上げる試練を与えてやるんです!

 レスキューポリスシリーズでは従来の特撮番組のような特定の悪の組織がなく、戦う相手が生身の人間であることも魅力の一つである。
本作では「メタリックなスーツで武装したヒーローVS竹槍と火炎瓶で武装した老人」という、他ではなかなか見られない戦いが展開され、ビジュアル的にも必見である。

本作で描かれている、強い若者が弱い老人をいじめるという構図は、今見ると時代のギャップを感じずにはいられない。
放送当時(1991年)は平成バブル景気のほぼ末期で、当時の若者は高給なアルバイトで豊かな生活ができていた。当然ながら、体力がある若者のほうが有利だった。
近年では、いくら働いても低賃金の若者VS富を蓄えたまま放さない老人みたいな対決図式で語られることがあるけれど、今だって全ての老人が裕福である訳ではないし、歳を取れば人間誰でも弱くなるのは当時も今も変わらないはずなんだけどな…。

 12話「誕生!新ドーザー」

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少女・由美の元に、事故で亡くなったはずの母親から毎晩電話がかかってきていた。
電話の主の意外な正体と、その目的は…?
危機に陥った少女を救うため、ソルドーザーは新たな姿に変形する。

お前の心はいつも一つ「人を災害から救いたい」。
それが変わらない限り、私達と同じだよ。
大切なのは、姿形じゃないんだ。心なんだ。

 本作では、ソルドーザーが初めて新形態「ドーザークローラー」に変形する。当時東映に導入されたばかりのCGシステムを使用して作られた変形シーンや、瓦礫を切り開いて活躍するドーザークローラーの特撮シーンなど見どころが多い。
番組の趣旨としては、ひらたく言ってしまうとソルドーザーの玩具販促回ではあるのだが、本作のストーリーはただの販促にはとどまらない。大切なのは姿形ではなく心という主題を軸に、最初は変形を拒むソルドーザーと事件の真相をリンクさせ、SFドラマとしても非常に魅力的な回となっている。
人によっては、ビジュアル的に一部トラウマになりそうなシーンもあるが、そんな時は前述の正木本部長の言葉を思い出して欲しい。

ソルドーザーの声を演じる加藤精三氏は、その低い声質から悪役を演じることも多い(トランスフォーマーのメガトロン様など)が、本作では珍しく、のんびり屋で心優しい正義のロボットを好演している。

 上記の作品は、DVD1~2巻にも収録されている。

特救指令ソルブレイン VOL.1 [DVD]

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特救指令ソルブレイン VOL.2【DVD】

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